Fender Custom Shop Master Grade 1969 Stratocaster ‘96年製 Olympic White
まず市場に出る事の無いマスグレ初年度＆稀少スペックの極上の一本。当時のFender最高峰のストラトが入荷致しました。
言わずとしれたFender社のフラッグシップモデル、”ストラトキャスター” 1954年の発表から現在に至る60余年の間、非常に多くのミュージシャン、ギタリストに愛用され続け、もはやエレキギターの代名詞とも言えるモデルと言っても過言ではありません。
今回ご紹介させて頂く一本は、1996年後期から僅か3年のみの生産となるも、通常のカスタムショップラインとは比較にならないほどの高いクオリティを誇り、今もなお中古市場において別格視されるマスターグレードシリーズ。更にこちらは初年度1996年製に加え、市場で見たことすら無い稀少な1969年のストラトキャスターを復刻したモデルとなっております。
まずマスターグレードシリーズの拘りとしては、当時のFender社が掲げる「ビンテージギターには当たりはずれがあるが、マスターグレードはすべてが当たりである。」を謳い文句を現実にすべく、ヴィンテージFenderに実際に使用された工作機器やテンプレートを使い、更には60年代に活躍したパーツクラフトマン（ピックアップ担当のアビゲイル・イバラ女史、ネック担当のハーバード・ガステラム氏など）を呼び戻し当時と全く同じスタッフや作業工程にて完璧な復刻を手掛けるという念の入れようでした。その背景には同時期のGibson社によるヒストリックコレクションシリーズに対しての強い対抗意識があったのかもしれません。
まず今回入荷分に関しましては、通常ラインナップに無い1969年仕様ですが、非常に稀少なスペックとなっております。まずボディ材は1Pのアルダーを採用。通常殆どのマスグレは2Pアルダーとなります。ネックには薄らとフィギュアドの浮かび上がる厳選されたクォーターソーン（柾目）メイプルにメイプル指板をラウンドに貼り付けた貼りメイプル仕様。その他スペックとしては、”WITH SYNCHRONIZED”のラージヘッド＆モダンロゴにクルーソンチューナー、4ボルトジョイントプレート、3Pホワイトガード、初期CNシリアルなどが挙げられます。またこちら認定書と山野楽器の保証書が付属致しますが、認定書には”1960 Stratocaster”、山野保証書には”MG 66 ST”と表記されており、当時安定供給に至る前の最初期に生産されたものという事が推測されます。シリアルも50万番台と、通常モデルのシリアルとは大きく異なり、特注ラインで製作されたのではないかと思われます。
そして気になるサウンドですが、まず生鳴りからいってハンパじゃありません。音の線にシッカリと芯がありアグレッシブな強いサウンドは、この一本が特別だということを十二分に感じさせてくれます。加えてプラグインを試みてみると、身体が痺れるほどの感動に包まれます。搭載されたピックアップは1950年代にFender社に入社以来、60年近くにも渡ってピックアップ製作を担当していた伝説のピックアップ製作家Abigail Ybarra（アビゲイル・イバラ）女史によるものと推測されますが、それを裏付けるべく、素晴らしいサウンドしっかりと感じさせます。Fender系クリーンアンプでは煌びやかな美しいトーンで、繊細ながら深い奥行きを感じさせ、他のギターでは味わえない感動のトーンながらもどこか懐かしさを感じる最高のクリーンを、Marshall系ドライブアンプでは一転変わって非常にパワフルかつ切れ味の鋭いエッジ感で、咽び泣くようなディストーションサウンドは攻撃的なだけでなく人間の本能に直接訴えかけてくるような鳥肌の立つトーンをアウトプットします。
状態としては20年以上の歳月が経過していることもあり、小傷やスレ、全体的な色焼けこそ見受けられるものの、ビッシリと入ったウェザーチェッキングと相まって、ヴィンテージライクなルックスへと仕上がっております。とはいえ激しいバックルスクラッチや塗装剥がれなどの大きなダメージは無く、フレットも8部山以上残っていることからも総合的に見て年式の割に美品となるコンディションです。もちろんプレイにあたってのネックコンディションは至って良好で、トラスも殆ど動かされておりません。付属品類についても認定書を含む一式が揃っております。（画像参照）
稀少なマスターグレードの中でも初年度かつ、レギュラーラインナップに無い1969仕様となる一本。おそらくこの仕様はこちらの一本だけではないかと思われます。サウンドはもちろん、ルックスも良く稀少度も高い極上と呼ぶに相応しい一本です。マスグレの中でも特別な一本ですので、お気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。