Fender Custom Shop MBS 70th Anniv. Broadcaster 2020 Nocaster Blonde
Fender Custom Shop MBS 70th Anniv. Broadcaster 2020 Nocaster Blonde Ultimate Relic by Vincent V Trigt “Limited Edition”
Broadcaster生誕70周年のリミテッドエディション。話題のマスタービルダー”ヴィンセント”入魂の他とは一線を画す強烈なレリック、ホセフィーナのハンドワウンドPU搭載の特別過ぎる一本が入荷致しました。
Fender社において最も歴史が長く、ソリッド・エレキギターの原点であり、今も昔も多くのミュージシャンに愛用される王道”Telecaster” 前モデルとなるBroadcasterからNocaster、そして1952年にTelecasterのモデル名として発表されました。
レギュラーラインとは別セクションにて、厳選された材、厳選されたビルダーの手により生産されるカスタムショップの中でも選ばれたビルダーのみが冠することを許されるマスタービルダー。その中でも近年特に注目を浴びる新進気鋭のマスタービルダー、Vincent Van Trigt(ヴィンセント・ヴァン・トリグト)。ジョン・クルーズの専属アシスタントビルダーとして、ステファン・スターンの専属アシスタントとしての輝かしい経緯を経て2018年にマスタービルダーへと昇格を果たしました。世界的なトップアーティストのプロジェクトをアシストしてきた高い技術は、マスタービルダーに昇格してからも非常に評価が高く、シニアマスタービルダー同等の扱いを受けています。
今回ご紹介させて頂く一本は、そのヴィンセント製作品の中でも特別と呼ぶに相応しい至高の一本。1950年にFender社より発表された最も古いソリッド・エレキギターモデルである”Broadcaster”(正確には当時プロトとして1949年に発表されたEsquireが最古)の生誕70周年を記念して、限定生産のリミテッドエディションとして発表されたモデルを、他のビルダーとは一線を画す強烈なアルティメットレリック仕上げにて完璧に復刻させた究極の一本になります。
まずそのスペックですが、ボディ材にはヴィンテージに近づけるべく塗装の上からでも見て取れる杢目の素晴らしい厳選されたアッシュ材をオフセット2Pにて採用。フィニッシュには当時のカラーを完璧に再現したNocaster Blondeカラーを激薄のシンスキンラッカーにて採用。ネックは幅の厚みがありながらナット幅を1.630”(約41.4mm)に抑える事で、まるで太いとは感じさせない素晴らしい握り心地の1950 Blackguard “U”シェイプを採用。またヴィンテージを復刻させるにあたって非常に再現性の高いAAグレードのフレイムメイプルを採用した点も拘りのひとつでしょう。ポジションマークはブラックドットで12Fはナロウスペーシング。その他としても溝切無し3点サドルにFENDER PAT PEND&シリアル刻印ブリッジ、FENDER刻印のシングルラインクルーソンチューナー、ヘッドトップにはスパゲティロゴ&”BROADCASTER”ロゴ、円盤型ストリングガイド、ビス類は全てマイナスネジにて統一され、トラスロッドアジャスト部もマイナスネジ、更には見えない部分ではありますが、1Pのブラックガードは裏側に当時と同様の”缶”の丸い跡まで再現した拘りの仕様、ピックガードの下のワイヤールーティングが施されていない等、オリジナルのヴィンテージスペックを細部に渡るまで拘り抜いて製作されております。ジョイントプレートにはLimited Editionの限定刻印プレートが採用されております。また演奏面を考慮して、指板Rは7.25’-9.50’のコンパウンドラディアスに、指板サイドはロールド加工を、ミディアムフレットの採用など、ヴィンテージとしての基本スペックは忠実に、長年使用してきたことでより演奏性が上がったというコンセプトも感じられます。
ビルダーごとに個性の出るレリック加工は、ヴィンテージを数多くみてきた人でも思わず生唾を飲み込んでしまう程の素晴らしいクオリティです。ビッシリとスパイダーウェブ状に施されたウェザーチェッキング、フィニッシュカラーの経年を意識した焼けた風合い、木部のステイン処理、リアル過ぎるエイジド加工、ネック側もネックバックの使用に伴うラッカー剥がれや、指板上のライトスキャロップエイジドなど細かな部分にもシッカリと手が加えられており、もちろんパーツ類、ビス一本に至るまでエイジド加工が施され、手に取って見てもヴィンテージと見分けがつかない最高峰の技術にて仕上げられるアルティメットレリックとなっております。
そして極め付けはこのサウンドでしょう。通常のカスタムショップとは別ブランドとも思える驚愕の鳴りを誇ります。近年特に高い評価を受けるジェイソン・スミス氏の思い入れがサウンドとなって弾け飛び、まるで何十年も弾き込まれてきたヴィンテージの様に軽いストロークだけでも個体全体を激しく震わせます。更にはピックアップにはFender社最高峰のピックアップアーティスト、ホセフィーナ・カンボス女史によるハンドワウンド”’50-’51 Blackguard” PUを採用。このピックアップもこちらの70周年モデルの為に設計されたモデルで、リアに面取り加工をしていない大径のアルニコIII磁石、フロントにアルニコV磁石を使用、43ゲージのエナメル線を手巻きするなどの構造で、押し出しの強い低音域、豊かな中音域、歯切れの良い高音域のある、生き生きとした音が特徴です。更に加えて、コントロール部までもヴィンテージ・ブロードキャスターと同様のスペックとなり、3wayセレクターのフロント位置では低音をカットしたフロントピックアップ単体を、センター位置ではノーマルのピックアップ単体を、リア位置ではフロント&リアのミックスとなります。またコントロールノブは、ボリュームとブレンダーになっており、セレクターのリア位置にてブレンダーがフルの状態でリアを100%出力、反対のゼロの状態でフロントとリアの比率が50:50になり、ミックスのレベルをコントロール出来ます。※標準的なテレキャスターのアッセンキット(Fat ‘50s assy)も付属致しますので、出荷時にご希望がありましたら交換も可能です。
Broadcasterの誕生から70年を記念したアニバーサリーモデル。ラインナップとしてはレギュラーシリーズ、カスタムショップシリーズ、マスタービルドシリーズがございますが、マスタービルドシリーズの国内入荷は今のところ当店在庫の2本のみとなっております。またフィニッシュのラインナップもNOS、Journeyman Relic、Relic, Heavy Relicの4パターンがございますが、こちらは最上位のHeavy Relicを越えたアルティメットレリック仕上げとなっております。(カスタムショップを通してオーダーする際には、ザックリとレリックとしてのスペックとなりますが、実際にはビルダーごとの個性によりレリックの内容が変わります。)こちらの一本は2020年6月25日にFender Custom Shopを出荷したばかりですが、国内に入荷する前にイギリスのショップより先行入手した特別な一本です。サウンド、ルックス、スペックのどれを取っても超一級の最高峰の逸品。今回は一本限りの入荷となりますので、お気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。