Gibson EB-3 Cherry 1965年製 w/Baritone Selector 3.4kg “For Player”
1959年に発表されたGibsonエレクトリックベースの元祖であるEB-0。その後1961年には上位機種となる2ピックアップバージョンのEB-3が発表されます。中でもクリーム期のジャック・ブルースやアンディ・フレイザーが愛用したハカランダ期となる初期のEB-3に関しては今も昔も変わらず高い人気を誇ります。
今回ご紹介させて頂く一本はハカランダ期最終期となる1965年製のEB-3ベースになります。
まず特筆すべくは1960年代前半ならではの贅沢な材の採用。SGスタイルのボディには単板のホンジュラスマホガニー、ネックは1Pのホンジュラスマホガニーに目の詰まった極上のハカランダ指板を採用。現在では考えられない高級な稀少材で構成されております。スケールはショートスケールの30.5インチ、ピックアップは本機独特のラージ・ネックハムバッキングとスモールブリッジハムバッキング、2Vo、2Toneに加え4ポジション・ロータリーセレクター(フロント/リア/ミックス/フロント・ローカット)のバリトーンスイッチを搭載しております。
気になるそのサウンドとしては王道のJB/PBサウンドともまた違う、弾き手をのせる弾むような歯切れの良いトーンが魅力です。アンプの出力からのクランチ~ゲインは歪みにくいものの、様々なサウンドバリュエーションは、新しいフレーズが次から次へと思いつく気持ちよさがあります。またピックアップのクオリティが高く、繊細なフィンガーピッキングニュアンスをシッカリと再現してくれ、音を誤魔化さない分”じゃじゃ馬感”は残るものの、取り回しの良い個体と併せて、演奏する楽しさを再認識させてくれます。
状態としてはフィンガーレストの取り付け跡やストラップピンの交換跡、ペグの交換歴などプレイヤー目線でのリペア歴は見られますが、肝心のピックアップなどの電装系は全てオリジナル、ありがちなネックのリペア歴も無く、現状のネックコンディションは良好、トラスの余裕も充分にあります。