Gibson Les Paul Custom 1959年製 Black Beauty w/ Double Whites PAF×4.11kg
Gibson Les Paul Custom 1959年製 Black Beauty w/ Double Whites PAF×4.11kg “Miracle Museum Stock”
フルオリジナル&ミントコンディションをキープした奇跡の一本。ウェザーチェック無し、色焼け&ゴールドパーツの劣化も僅かとなるミュージアム級のブラックビューティが入荷致しました。
Gibson社のフラッグシップモデルであり、もはやエレキギターの代名詞とも言える”Les Paul”モデル。どんなモデルよりも最も有名かつ多くのアーティスト・ミュージシャンに愛用されてきました。1952年の中頃に発表され、翌年1953年の後期には上位機種となるCustomが発表されました。1957年中期には3ハムバッカーへ、1959年にはグローバーチューナーの最終スペックへ移行します。その後当時の背景もあり1961年からはSGボディへ、1963年にはSG Customのモデル名にリネーム、そして1968年に再度Les Paul Customとして復刻し、現在までの不変の人気を誇ります。またカスタムモデルの代名詞でもあるエボニーブラックカラーについては、その美しいルックスより”Black Beauty”の愛称にて親しまれてきました。※ヴィンテージファンの中では1960年製までのモデルのみ”Black Beautyとの名前を許されるとの見解もあります。
今回ご紹介させて頂くのは、Vintage Black Beautyの最終形となった初年度かつGibson Golden Yearとなる1959年製のLes Paul Custom。その存在自体がレジェンドとなる中、こちらの一本につきましては、61年という半世紀以上の歳月を全く感じさせないフルオリジナル&ミントコンディションをキープした奇跡のミュージアムグレードの究極の一本となります。
まずそのスペックとしては、カーブドトップの1Pホンジュラスマホガニーボディに、1Pホンジュラスマホガニーネックのオールマホ仕様。フィニッシュは上位機種としての貫禄を魅せつける所謂”Black Beauty”となるエボニーブラックカラーを採用。カスタムモデルに”黒”を選んだ理由として、レスポール氏の考案によりライブなどでのプレイヤーの手の動きが見やすくなるように、当時のGibson社の開発者達としては、当時のジャズシーンにおいてタキシードスーツを着て演奏することが多く、そういったプレイヤーにマッチするように・・・などと多くの説が残されております。また指板材には高級材エボニーを、ハードウェアはゴールドで統一など高級感のある豪華なスペックとなっております。また付属のギャランティのモデル名にも”LES PAUL CUSTOM FRETLESS WONDER”と記載がある通り、低くスリムな形状のフレットとなるフレットレスワンダーが採用されております。こちらも当時のジャズシーンを理由とし、スライド奏法やスムーズなフィンガリングを可能とする為に開発され、そのネーミングの通りフレットレスギターを彷彿させる演奏性を感じさせます。ピックアップにはセスラバー氏の開発したGibsonの歴史を変えたと言っても過言では無い伝説のピックアップであるオリジナルPAF(P-490)×3発が搭載されておりますが、こちらはボビンが共にホワイトカラーとなる非常に稀少なダブルホワイツとなっております。(当時のピックアップ製作過程においてボビンの着色に仕様される黒の塗料が一時的に無くなり、ピックアップカバーを付ければ見えないという見解から、黒白のゼブラボビン、白白のダブルホワイツが1959~1961年の一部に存在します。)もちろんロングマグネットとなります。その他スペックとしては、ナット幅は約42.0mmの細身のCシェイプとなる所謂1959シェイプ、ノンワイヤーのABR-1ブリッジ&アルミテイルピース、マルチバインディング、5Pスプリットダイヤモンドインレイ、ブロックパールポジションマーク、”Les Paul CUSTOM”刻印のトラスロッドカバー、『PATPEND U.S.A』刻印のグローバー・ロトマティックチューナー等々、上位モデルならでは、この時期のヴィンテージならではのスペックが多数確認出来ます。更に加えて『カスタム=重い』という常識を打ち消すかの如く、約4.11kgと非常に軽量な個体という点も欠かせないポイントとなっております。
気になるサウンド面としても、弾き込まれた個体=良いサウンドという一説は嘘なのかと思えるほどの極上のヴィンテージサウンドを放ちます。半世紀以上の長い歳月によって結合水(セルロース質に結合している水分)が減少した独特の味わい深い”枯れた”トーン、そしてセットネックながら歳月を経てしっかりと馴染むことでまるでスルーネックのような一体感を生み出しております。レジェンダリーピックアップ”PAF”からの出力減衰も一切無く、カスタムならではのズ太い低域には深い粘りがありながらもゴリゴリと前に押し出すコシの強いトーンで、ロングサスティーンとなって抜ける際には甘く空気中に広がっていきます。中域にはマホガニー特有の倍音感が素晴らしく、アコースティカルな味わい深いトーンがサウンド全体を支え、また高域は明瞭かつエッジ感のある最高のキレを魅せつけてくれます。また各弦のバランスも本当に素晴らしく、ギター単体としてのアンサンブルは秀逸そのものです。クリーンでは甘くメロディアスなジャジーなサウンドを、ドライブでは攻撃的かつ心地の良いディストーションに酔いしれてしまう一本です。またこの時期のカスタムならではの特徴であるフェイズアウトサウンドは、ピックアップを逆相させる事で低音域を抑え中高域を強調させ、他の時期、他のモデルでは決して味わえない唯一無二のサウンドとも言えるでしょう。
そして極め付けはこのコンディションでしょう。1959年製と既に61年と言う半世紀を大きく超える長い期間が経過しておりますが、それを全く感じさせない極上ミントコンディションをキープ。オリジナル塗装の艶もピカピカに残っているどころか、あって当然のウェザーチェックすら見受けられません。傷等についても特筆するような大きなダメージは一切見受けられません。バインディングやヘッドロゴ&ポジションマークの色焼けも非常に少なく、ゴールドパーツのメッキもこの年式とは思えない程キレイに残っております。無粋ながらも神経質な目線で見れば、ハードウェアは部分的にメッキの薄れ、ピックガードの脇のバインディングにクラックが一カ所、ヘッド上部に塗装剥がれを含む僅かな打痕、その他非常に細かなスレ程度は確認出来ますが、この年式としては類を見ない程の素晴らしい状態で、ミント表記するに相応しい極上ヴィンテージです。またパーツ類については消耗品を含むフルオリジナル&ノーリペア、電装関係のハンダも全てバージンです。プレイ面においてもネックコンディションは良好で、トラスも左右ともにシッカリと残っており、フレットは上述の通り元々かなり背の低いタイプの為判断しづらくはありますが、オリジナル状態を基準にすれば7~8部山程で大きな凹み等もございません。付属品についても当時のギャランティやタグ、ブリッジやピックアップについての説明書、ケースキー&専用封筒などの一式が揃っております。(画像参照)ケースもオリジナルのブラッククロコダイルケースとなりますが、こちらも取手交換やラッチ破損等の無いかなり状態の良い美品コンディションとなっております。
King of Black Beautyとなる1959年製Les Paul Custom。ヴィンテージが故に状態によって販売相場は大きく変わりますが、現状の相場感としては、かなり多くの使用感があり、パーツ交換もある個体でも800~900万円前後、多少の使用感がありながらフルオリジナル品または、美品ながら多少のパーツ交換がある個体で900~1,000万円となっております。今回それらとは完全に別格となる奇跡とも言えるフルオリジナル&ミントコンディションのミュージアムグレードの一本の為、1000万円オーバーは当然、1,200~1,300万円前後が適正価格かと思われますが、今回こちら前所有者様からの多大なるご厚意を頂き、4桁の大台を切った非常にお値打ちな価格にてご案内させて頂く事となりました。高額帯のヴィンテージの為、お値打ち価格=即完売という訳にはいかないと思われますが、こちらを逃したらこれ以上は見つからないと言っても過言ではありません。一生物の”家宝”となる究極のコレクタブルアイテムですので、”逃した後悔”を考えてしまわれるコレクター様は、絶対にこの機会をお見逃しなく。