J.R.Zeidler Guitars Arch Top Suprema 1992年製 Custom Figured Koa w/ Floating PU
アーチトップ・ジャズギターの頂点に君臨する、故ジョン・ザイドラー氏の製作品。”最高峰”を意味する”Suprema”の名を持つアーチトップモデルが奇跡的に入荷致しました。
世界のトップアーティストの中でも、極々限られた人だけが所有するJ.R.Zeidler。アーチトップのジャズギターの頂点に君臨するブランドながら、オーナールシアーであるJohn Zeidler氏が病により40代の若さで他界してしまい、元々の限られた極少数の生産数ということも含め、今や”幻”、”伝説”のギターブランドと呼ばれ、市場には殆ど流通することはありません。様々なモデルを製作しつつも、ピーター・バーンスタイン氏等も愛用するアーチトップモデルは別格の世界的な高い評価を受けております。
今回ご紹介させて頂くのは、その故ジョン・ザイドラー氏製作品の中でも、最高峰を意味するSupremaの名を持ち、他とは一線を画す特別なスペックにて製作された、まさに唯一無二のミュージアムグレードの超逸品アーチトップモデルになります。
まずそのスペックとしては、Fホール有り15 3/4インチ・フルサイズのカッタウェイスタイルで、ボディトップにはベアクロウも確認出来る厳選された最高峰のスプルース材をアーチドトップ仕様にて採用。そしてボディバック&サイド、ネックには、芸術品と呼ぶに相応しい強烈なフィギュアドフレイムを纏った超極上のコア材が採用されております。ここまでのグレードのコア材に関しては、ギター材だけでなくウクレレ材等でも現在入手不可能と思われます。あえてグレードを付けるとすれば5Aグレードを凌ぐアーティストグレード、もしくはそれ以上となる本当に素晴らしい材となっております。指板には杢目がシッカリ引き締まった上質なエボニーに、その黒の対照的なコントラストの美しいマザーオブパールのスノーフレークインレイが施されております。また14Fジョイント22F仕様のフレットとなりますが、こちらは製作過程においてフレットを打つ前に弦を張った状態でシーズニングし、指板面を整えてからフレットを打つ・・・と生産性を考えればとても出来ない、拘りの製作方法にて仕上げられております。その他としては、ボディトップ&バック、指板サイド、ヘッドトップ&バック全てにバインディングが施され、ボディトップのパーフリングとボディバックのセンターラインはタートイズシェルにて仕上げられております。ピックガードもタートイズシェルガードにバインディングが巻かれております。ブリッジ&ブリッジ台座はエボニー、オリジナル形状のテイルピースはエボニーベースに独特なポールエンドストップを持つ金属枠が取り付けられ、そのままボディエンドのエンドジャックへとつながります。チューナーにはシャーラー製ゴールドタイプを、ヘッドにはブランドロゴのインレイワークとトラスロッドカバーは美しいマザーオブパールに”Suprema”の筆記体ロゴが施されております。ナット幅は約43mmの薄手の握りやすいシェイピング、ネックスケールは約648mmとなります。
そして気になるサウンドですが、これが”伝説”と呼ばれる所以だと、身をもって知らされる唯一無二、史上最高峰の極上サウンドを奏でます。一音一音の粒立ちとアコースティックの良さを最大限引き出した音の芳醇な膨らみ、空気中に溶けていくロングサスティーンと、麻薬的な魅力のあるトーンは流石としか言いようがありません。激鳴り・・・というよりも、ベーシックなアコースティック・ジャズサウンドながらも、そのどの部分もクオリティを極限まで上げたという印象を受けます。高音域はハープやバイオリンとも共通する美しく煌びやかな旋律で、音にシッカリと張りがありながらも、耳に痛い音域は全くありません。中域は一本芯が通った前にグイグイ押し出してくるイメージで、ふくよかなアコースティックサウンドとも相まって味わい深い倍音成分を多く放ちます。低域は甘く広がるサウンドながらに音の輪郭がぼやけず、以上なまでに長いサスティーンはボディ内部で何層にもなって熟成され、独自のビブラート感によってサウンド全体をまとめあげてくれます。高いクオリティながらも枯れた奥行のあるトーンで、本当に自分が弾いている音なのかと勘違いするほどに洗練されたサウンドが放たれます。このサウンド経験は他では絶対に味わえない、まさに”伝説”の何相応しい一本となっております。またオリジナルにてフローティグPUが搭載され、こちらからの出力もギターそのものの良さを損ねる事無く、自然なアコースティックトーンをアウトプットし、アコースティックとしてのご使用はもちろん、アンプからの出力も愉しめるようになっております。
状態としては30年近く前の製作品ということもあり、ピックガード上の薄いスクラッチ、細かなスレや小さな打痕こそ見受けられますが、外観を損ねるような大きなダメージは無く、年式を考慮すればニアミント一歩手前となる極上美品コンディションをキープ。プレイ面としてもネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もあり、フレットは元々背の高いタイプではありませんが、大きな凹み無く8部山程残っております。付属のケースはカスタムオーダーにてシッカリとフィットするように製作されたオリジナルのカールトンハードケースが付属致します。
ザイドラーにつきましては、あまりにも現存数ならびに市場流通数が少ない為、各モデルごとの適正相場というものこそございませんが、シンプルなフラットトップモデルですらも150万円オーバーとなります。今回こちらは特に評価の高い上位モデルであるアーチトップ仕様に加えて、極上過ぎるフィギュアドコアにてカスタムオーダーされた、”Suprema”最高峰の名に相応しい、稀少なザイドラーの中でも特別な一本となっております。状態も良く当然のように200万円オーバーが適正価格ながらも、こちら前所有者様からのご厚意もあり、その大台を切ってのお値打ち価格でのご案内とさせて頂きます。高額帯となる金額もさることながら、市場に出れば即完売のアーチトップモデルに加え、今後探しても”絶対”に出てこない特別なカスタムモデルとなりますので、お探しだった方はもちろん、お気になりました方は絶対にこの機会をお見逃しなく。