Martin 000-28 1945年製 Golden-Era Adirondack-Spruce & Ebony-Rod

“音楽”の認識を変える程の感動的なトーン。素晴らしすぎて声にならないという事が現実に起こってしまう一本です。
 
1833年からと約2世紀近くにも渡る永い歴史を持ち、様々なアコースティックギターブランドの中でも群を抜いてトップに君臨するMartin社。その極上のマーティンサウンドに魅せられたミュージシャンは数知れず、非常に高い人気はもはや不動のものとなっております。
 
今回ご紹介させて頂くのはMartin社を不動の人気とさせた礎となる歴史そのもの。1930年から1945年の最も高く評価されるGolden Era期。この時期は少数の熟練の優秀な職人のみで製作された時期であり、今と違い大量生産スタイルは確立されておらず、言葉通りコツコツと丁寧に仕上げられました。当時の今では手に入らないクラスの材、職人の誇りとなる技術から生み出されるトーンは何十年、何百年経っても朽ちることはない歴史そのものでしょう。こちらその黄金期の集大成ともなる1945年製前期に製作されたMartin社が誇る代表格000-28モデルをご紹介させて頂きます。
 
まず材のマテリアルだけでも近年では決して叶える事の出来ない素晴らしい材が採用されております。ボディトップには1945年前期が最終となるアディロンダック・スプルースを採用。70年以上熟成されたアディロンは近年のアディロンとは全く異なる稀有であり最高のトップ材です。そしてボディサイド＆バックには現在では伐採出来ないどころか、良質なものはもう手に入らないと言われるブラジリアンローズウッド（ハカランダ）を採用。それも杢目のコントラストが素晴らしい、ハカランダの歴史の中でも最上位に位置する極々上の材が採用されております。そして指板＆ブリッジには当時の最高級材であったエボニーを使用。その他材以外のスペックとしては、ティアドロップの鼈甲ガードやオープンバックチューナー、そしてこの時期ならではのヘリンボーン・バインディングが特徴とされます。
 
上記のスペックはあくまでスペックであり、本機の真骨頂はそのサウンドにこそあります。当店では多くのヴィンテージを扱ってきましたが、あまりにも良いトーン過ぎて言葉で表しづらいと感じたのは初めてです。一言で言えば”麻薬”のようなトーンです。音楽で感動する事は多々あっても、空いた口が塞がらないほどの音楽にはまず出逢うことはありません。コードを抑えず指の腹でストロークしただけで心が震えました。まず耳に入ってくるのは高音域の美しさです。色ツヤある艶めかしさと線のキレイなバイオリンのような旋律が聴こえると、次にボディ～ネックまで響き渡る中域がアコースティックサウンドの中でも別格だと感じさせてくれ、最後に幾層にも重なった奥行深い低域がフィードバックと共に高域・中域をまとめあげ、そして気持ちよく長いサスティーンと共に甘い余韻を残しながら空気中に消えていきます。
 
また改めてコードを抑え鳴らしてみれば、1弦1弦の個性が強い分、ストロークの強弱次第で様々な貌を見せてくれ、多くのジャンルを感じさせる音楽の歴史を作ったサウンドそのものだという事が認識出来ます。そして一度強めにカッティングすれば、シッカリとした芯を残しつつエッジ感もある明るく枯れたトーンで、白黒・セピアの時代にタイムスリップしたかのような錯覚すら感じさせてくれます。
 
状態としてはトップ＆サイドに割れ補修リペア歴が有り、ネックはリセット、リフレット・リナットなどのリペア歴が見受けられます。全体的に見ても使用感は多くありプレイヤーズコンディションですが、70年以上現役で活躍し続けた一本は、そのサウンドだけでなく風格漂う王道のヴィンテージギターとして確立しております。
 
第二次世界大戦という世界的にも大きな歴史を変える時期に、アコースティックを愛し、その製作を続けてきたMartin社の大きな歴史とも言える一本です。こういった状況下での鉄不足からのエボニーロッドによるサウンドは、この時期だけの歴史を語る特有のサウンドを奏でてくれます。出荷レコードとしては1945年はMartinの歴史の中でも特に生産本数が少なく僅かに147本（2015年では115,000本）しか生産されませんでした。
 
今回こちらの一本、今までに無い感動を覚える最高のサウンドを持ったプレイヤー様向けの一本でもあり、Martinの歴史を語る上で外せないコレクター様向けでもある一本でもあります。高額帯ながらも絶対に後悔しない素晴らしい作品です。お気になりました方、まずはお問い合わせ下さい。
 
※本商品はお客様からのご委託商品です。こちら歴史的にも価値がありますことから商品性質上、品質劣化を防ぐ為ご来店・ご試奏ご希望の方はお手数ではございますが、必ず事前にご予約下さいますようお願い致します。また誠に恐縮ながらご購入ご検討以外のご試奏はお断りさせて頂いております。