Martin D-28 1962年製 Solid Jacaranda Side & Back “Killer Aggressive Sound”

1833年からと約2世紀近くにも渡る永い歴史を持ち、様々なアコースティックギターブランドの中でも群を抜いてトップに君臨するMartin社。その極上のマーティンサウンドに魅せられたミュージシャンは数知れず、非常に高い人気はもはや不動のものとなっております。

ドレッドノートスタイルの歴史としては、1929年にアトランタで活躍していたバンジョープレイヤーであるペリー・ベクテルに14Fボディジョイントのフラットトップギターのオーダーを受け、000（トリプルオー）スタイルのOMが誕生し、その翌々年1931年にマホガニースペックのD-18、ローズスペックのD-28が誕生しました。

今回ご紹介させて頂くのは、そのドレッドノートの始祖として、現在に至るまで不朽の高い人気を誇るD-28モデル。特に評価の高いアーリー60’s 1962年製の一本になります。

まず何を差し置いても特筆させて頂きたいのは、このサウンドでしょう。まずワンストロークだけで”別格”と感じさせ、思わずテンションの上がってしまう、特大のボリュームに驚かされます。また大きなボリュームながらも味わい深い熟成された奥行と、良質なハカランダならではの煌びやかなクリスタルトーンが堪りません。高域はパッと目の覚める斬撃のようなキレを持ち、中域は甘くふくよかでありながらもシッカリとした音の芯が前に前に主張し、低域は弾いているギター周囲の空気すらも巻き込んで覆いこむ絶妙な枯れたアコースティックサウンドを感じさせてくれます。各弦がかなり強烈なキャラクターながら、ストロークの際に感じる気持ちの良い立体的なサウンドはMartinギターが生み出す奇跡のひとつ言えるでしょう。音の張り加減、サスティーン、ピッキングレスポンス、どれを取っても超一級のヴィンテージマーチンです。フィンガーピッキングでもストロークでもそれぞれの良さが十二分に味わえます。ヴィンテージの中ではPre-War期やGolden-Era期が特に高く評価され、価格も弩級ですが、その時期の物と比較しても、個人的にはこちらの方が上では無いかと思える素晴らしいサウンドです。

スペックとしては、キメの細やかなシトカスプルーストップに、ハカランダ（ブラジリアンローズウッド）サイド＆バック、柾目の美しい良質なマホガニーネックに、ヴィンテージならではの美しいエボニー指板。ダブテイルネックジョイントにT-Barトラスロッド、14Fジョイントの20F仕様、ベリーブリッジに鼈甲柄ピックガード、14度のヘッドアングル、ハカランダヘッドストック、グローバーチューナー、マザーオブパールのドットインレイ、ノンスキャロップのXブレイシング、また1962年のこの時期からヘッドストックの角が丸くなる特徴を持ちます。（木製のヘッドストック用のテンプレートがすり減った為という説が有力です）

変更・リペア歴としては、まずボディ＆ネック共にオリジナル塗装の上に塗装が吹かれております。（おそらく傷等のダメージによる外観を良くする為かと予想されます）センターシームのクラック補修が見受けられますが、シッカリと補修されており、現状段差や隙間などが無いのは勿論、一見してその補修歴も分からないレベルです。ピックガードは張り替え、ブリッジは1.5mm程度の底上げがされております。（ボディ内部のブリッジ裏側の留め材は交換）その他フレット＆ナット交換、サドル交換、ブリッジピン交換、ネックヒールのストラップピンの追加、チューナーはグローバーから一度クルーソンタイプに交換されており、エキストラホールの穴埋めリペア歴が見受けられますが、現状はグローバーの102Nが搭載されております。またサウンドホール部のマーチンクラック補修歴が確認出来ます。ケースはファイバーグラスの強度・保管性の高いCALTONケースが付属致します。

上記の通り細かな交換・リペア歴が多数ございますが、これらは1992年以前に施されたリペア内容になりますが、現状ネックコンディションは良好で、細かなスレや打痕こそあるものの、特筆するような大きなダメージは無く、ありがちなトップの浮き沈みもかなり軽微で、56年という半世紀以上の歳月の経過を考慮すれば、状態としては非常に良好です。塗装も全て経年による色焼けやウェザーチェックも見られ、ヴィンテージギターとしての貫禄もシッカリと持った一本です。

こちら永年に渡りD-28に魅了され、多くのヴィンテージD-28のみを弾き続けてきた前所有者様の秘蔵コレクションです。今回手放された理由というのも、お住まいの環境変化に伴い、”鳴りすぎる”ため自宅で弾けなくなってしまい、弾く機会が少ないのであれば、この素晴らしい鳴りを持った一本を、ガンガン弾き込んでくれる方に譲りたいからとの事でした。ご購入されたのは今と違いヴィンテージギターの高騰がそこまで上がっていない時期ですが、それでも約85万円での購入でした。今回前所有者様からのご厚意にて価格が高騰した今であるにも関わらず、ご購入時と変わらない金額でのご案内となりました。まず今後これ以上に鳴るD-28に巡り逢うことですら、かなり難しいかと思います。本当に素晴らしいヴィンテージギターをお探しの方には自信を持ってオススメ出来る一本ですので、お気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。

★☆Guitar Shop “Antique”has moved to a new big shop 2018.1.1☆★
グランドオープン!! 2018年1月1日に大型新店舗に拡大移転致しました。JR西川口駅より徒歩1分の好立地＆フロア総面積約130㎡。ゆったりとした落ち着きのある販売スペース＆試奏スペース、様々なご要望にお応えする設備の整ったリペアスペース、そして商品の状態管理を徹底した在庫スペースを個別におくことで、ワンランク上のショップとして生まれ変わりました。試奏環境はクリーンアンプからドライブアンプまで様々なアンプをご用意し、またリペアマンが常勤しており、ご購入時のお好みのセットアップや充実したアフターフォロー体制を完備致しております。

“Antique”では他には無いサウンドを追及し、ヴィンテージギター、ハイエンドギターを中心としたラインナップで、みなさまの一生に残る大切なギター探しのお手伝いが出来ればと思っております。Fender、Gibson、Rickenbacker、Epiphone、Gretschなどのヴィンテージギター、Paul Reed Smith、Suhr、Tom Anderson、James Tylerなどのハイエンドギター、特別なビルダーによる唯一無二のギターを揃え、皆様にとっての特別なショップになれるよう日々成長していきたいと思います。また販売商品にご満足頂くだけでなく、買い取りは驚愕の7割買取、下取りは更にアップとなる圧倒的な査定額をご提示させて頂きます。